旧形国電データ編

74.7久里浜集中豪雨冠水による廃車車両一覧

撮影 鉄道友の会JR電車部会福原邦夫氏

 1974年7月7日、いわゆる七夕豪雨である。三浦半島一帯、とりわけ横須賀市久里浜周辺では小河川の氾濫により大きな被害をもたらしたが、国鉄・京浜急行とも損傷を受けたのである。
 6月から7月にかけての第一次新性能化を終えた横浜線から捻出された、比較的車令の若い車両群が、後の転用を考え久里浜駅構内に疎開留置された。それらが一夜にして冠水し再起不能となってしまったのである。後に柏崎や王寺駅構内でも同様な事故例が発生しているが、電気車両の宿命か、生命の根幹であるモーターや制御機器類が冠水してしまうと、よほどの事が無い限り復旧は難しく廃車の運命をたどるようである。
 この時、被災した車両は当時の東京南鉄道管理局東神奈川電車区(南ヒナ)の所属で、クモハ6両、モハ13両、サハ1両、クハ12両の計32両であった。

 これらの車両を、被災1ヶ月余後の'74年8月24日に福原邦夫さんが撮影されており、貴重な記録と思われるので、ご本人のご承諾をいただいた上で、ここに公開する。何分にも狭い留置線に多数の車両が留置されており、車両としてまともに写せる状況ではなく、車両番号のみのものが多いが記録的には十分であると考える。


1.留置車両番号(車種別)

クモハ73 6両 モハ72 13両 クハ79 12両
 
サハ78 1両
 
 
 
 
   

2.留置状況(画像)

→クモハ73373+モハ72940+・・・・
→クハ79355+モハ72938+モハ72943+クハ79946+・・・
途中から3線になり 中線の先頭はクハ79941 以下72950.72949.79384と続く
左はクモハ73126 右はクハ79944+クモハ73175+モハ72699+クハ79114(一番手前)
クモハ73373+モハ72940+クハ79472とクハ79355

 上掲写真、撮影順等から推定した編成を載せたところ、田中景一さん、若松さん、73おやぢさんから情報をいた
だき、下表のように改めた。現地への回送は5回に亘り、7連が4回、4連が1回で計32両の運び込みであった。
1番線     79
355
72
938
72
943
79
946
73
401
72
063
79
386
  79
315
72
939
72
947
79
944
73
175
72
699
79
114
2番線               79
941
72
950
72
949
79
384
73
223
72
106
73
126
     
3番線 73
373
72
940
79
472
73
267
78
138
72
571
79
116
79
331
72
678
72
662
79
470
           

3.車両写真一部

クモハ73373(南ヒナ)
クモハ73373(南ヒナ)DT15台車
モハ72940(南ヒナ)
モハ72940(南ヒナ)DT20台車
クハ79355(南ヒナ)
クハ79946(南ヒナ)
クハ79946(南ヒナ)TR48台車
クモハ73401(南ヒナ)
クモハ73401(南ヒナ)DT14台車
クハ79941(南ヒナ)
クモハ73126(南ヒナ)
モハ72699(南ヒナ)
モハ72699(南ヒナ)DT20台車
クハ79114(南ヒナ)
クハ79114(南ヒナ)銘盤
クハ79386(南ヒナ)正面
モハ72571(南ヒナ)

4.廃車年月日 ’75年7月25日付

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